【報告】令和4年度の研究成果《視察》について報告します。
2023.07.19
視察報告
熊本県(山江村・山都町)、茨城県、愛媛県の産地を視察し、栗園の実態を調査しました。
〇2022年8月12日 場所:熊本県・山江村栗園 参加者:栗生産者・山江村役場・松添
⇒R4年度の栗の調査方法及び台風による早期落下果実の貯蔵方法について検討した。
〇2022年9月15日 場所:熊本県・山江村栗園 参加者:栗生産者・山江村役場・熊本高専・松添
⇒栗園での収穫部の能力の検証と意見交換等を行った。
〇2022年8月25日、9月26日 場所:茨城県・小澤栗園(栗の生産・焼き栗の直販)
小澤栗園のホームページはこちら
〇2022年9月26日 場所:茨城県・株式会社アドバンフォース(生産・加工販売)
株式会社アドバンフォースのホームページはこちら
〇2022年9月29日 場所:愛媛県・三ツ井氏圃場(愛媛県くり研究同志会長)生産・販売
〇2022年9月29日 場所:愛媛県・JAえひめ中央南部営農センター(集荷・評価・選別・出荷)
視察先や生産者等との勉強会から、生産側の改善・課題として、除草の負担と未熟果の果実の品質と貯蔵による品質変化に関する意見があった。
視察先・生産者からの情報・意見(抜粋)
〇小澤栗園(茨城県)
- 栗の収穫には人手が必要であり、収穫時期だけの季節労働者は少なく(通年雇用は難しい)、また高齢化している。
- 栗の需要はあるため、栗園をさらに拡大したいが、収穫の人手不足がボトルネックになっている。
- 収穫作業員は雑草を嫌がるため、雑草は短く刈り込む。除草作業回数が多い。
- 収穫後、貯蔵することでうま味を高める。当園では1週間以上、0度付近(高湿度条件下)で低温貯蔵する。
〇アドバンフォース圃場(茨城県)
- 障がい者を一部雇用して収穫・選別・洗浄等の作業を行っている。収穫器具・機械は担当者の能力や障がいに合わせて使用している。
- 一般消費者には生栗よりも加工品の方が需要がある。
- 加工品が対象であれば機械収穫の衝撃による品質の影響は考慮する必要はない。
〇三ッ井氏圃場(愛媛県)
- ゴム手袋を使用し、膝にはサポーターを付けて斜面に膝をつきながら、下から上に登りながら収穫する。
- 生産量は年々減少傾向であり近年は50年前の1/10程度となっている(中山地区で1,000トン→150~200トン)。
- 台風被害は、山に囲まれた地形のため、例年被害は大きくない。
- 愛媛県では鳥獣害被害が増加傾向。主にイノシシ、鹿、の被害。愛媛の他地域ではサルによる被害もある。
〇山江村・JA玉名(熊本県)
- 園地の形状・条件、栽培方法・剪定方法等は生産者・地域によって異なる。
- 生産物の出荷先は、主にJAと加工業者、一部は直販等である。
- 栗の需要は高いが、九州では台風被害の危険性が高いため、栗園の規模拡大は躊躇される。
- 栗の収穫作業も規模拡大のボトルネックである。