【報告】令和4年度の研究成果《追加研究②:落果前の果実の品質並びに貯蔵による品質の変化》について報告します。
2023.07.19
追加研究②
落下前の果実の品質並びに貯蔵による品質の変化
ロボットを導入する場合にできるだけ一斉に収穫することが収穫効率を上げることになる。現在でも、栗の品種によっては樹上の栗を叩き落すことが品質を上げることにつながるため、実施している農家も多い。しかし、一斉に収穫すると、イガ剥きの作業も一斉に行うことになるため貯蔵が必要となる。また、台風が接近する場合には、樹上の未熟果も落下するため、事前に収穫する生産者多い。これらの果実は成分評価が行われていないため、台風で落下した果実は廃棄又は低価格で販売される。台風被害が栗の生産面積を広げることができない要因になっている。R4年度の生産者へのヒアリングで、ロボットの導入を促進するには未熟な栗の貯蔵方法の有効な開発が必要との強い意見があった。しかし、未熟な栗の貯蔵方法の有効な開発が行われていないのが現状である。栗の未熟果の貯蔵法の研究を前倒しで進めている(中間報告会でも報告済み)。
⇒落下前の果実の品質や貯蔵等による品質の変化を調査している。栗の品質を評価するために、栗の味に大きく影響する成分として糖とアミノ酸を分析する予定である。貯蔵温度25℃において、イガなし栗ではカビが発生するが、イガ付栗ではカビの発生はない。
②-1:収穫時期の違いによる落下前の果実の品質
②-2貯蔵温度と貯蔵期間が落下前の果実の品質に与える影響
【処理内容】
貯蔵温度 | 期間 |
1℃ | 15日・30日間 |
5℃ | 15日・30日間 |
10℃ | 7日間 |
25℃ | 7日間 |
【実施予定】品質の調査(R4年度に報告)
- Brix(%)
- 糖:スクロース,フルクトース,グルコース
- アミノ酸:アスパラギン,グルタミン酸,アスパラギ酸,アルギニン,γ—アミノ酪酸(GABA)